日々の忙しさに追われる中、運動する時間を確保するのはなかなか難しいものです。
そんな中、わざわざジムやスタジオに通わず、短い時間でも心身を整えることができる自宅でできるヨガは、働く大人にとって理想的な選択肢かもしれません。
また、ヨガはスキマ時間でできるうえ、身体への負担が少なく、メンタルにもよい影響を与えます。年齢や運動経験に関係なく始めやすいのも特徴で、仕事や家庭のストレスを抱える働く大人にとって、意図的にリラックスする時間を作れる趣味の一つとしてもおススメです。
自宅ヨガのメリット
心身のバランスを整える
ヨガの呼吸法は自律神経を整える効果があります。
また、ストレッチ効果が筋肉をほぐし心身がリラックスするうえ、ストレッチによって柔軟性が高まることで怪我の予防にもつながります。
メンタルにも効果がある
ポーズに集中することでマインドフルネスの状態に入りやすくなり、頭の中を整理する時間が自然と生まれます。これが、日常のストレス軽減や気分の安定に役立ちます。
また、ヨガの深い呼吸法は瞑想にも通じるため、心を穏やかに保ち、集中力を高める効果も期待できます。実際に、瞑想は日本だけではなく、海外セレブや起業家などエグゼクティブたちの間でも人気が高く、パフォーマンスやメンタルの安定を保つために積極的に取り入れられています。
コストを抑えられる
自宅ヨガの最大の魅力の一つは、費用を大幅に節約できることです。
ヨガスタジオの会員費や交通費、専用ウェアや水分補給などの出費を考えると、自宅ヨガは非常に経済的です。
必要な用具も、高価なアイテムを揃える必要もありません。最低限のアイテム(ヨガマットなど)だけでも十分に始められるのも魅力のひとつです。
つまり、自宅ヨガは初期投資も抑えつつ、長期間でみても大幅なコスト削減が可能です。
スキマ時間でできる
ヨガスタジオに通う場合、場所によっては移動時間だけでもかなりの時間が必要ですし、着替えやシャワーなどフィットネス以外の時間も考慮しなくてはなりません。
しかし、自宅であれば、移動や着替えの時間が不要なため、朝の10分や夜のひとときでも実践できます。好きな時にできるので、大幅な時間の節約が可能です。
特に忙しいビジネスパーソンや子育て中の方にとって、時間はかなり貴重ですよね。自宅にいるときに、スキマ時間で運動ができる自宅ヨガは大人にぴったりといえるでしょう。
ヨガ初心者が自宅ヨガを始める前に知っておきたいこと

必要な道具は?
とりあえず、最低限ヨガマットを準備しましょう。ヨガマットは床の衝撃を和らげ、関節への負担を軽減する役割を持つため、快適な自宅ヨガを助けます。
特にフローリングの部屋は滑ったり、床が固く膝などに負担も大きいため、マットを引いてヨガを行いましょう。
ヨガマットを選ぶときは以下の基準で選ぶのがおススメです。
- 厚さ:初心者の場合は6mm以上の厚めのマットを選ぶと、膝や肘を保護しやすくなります。
- 材質:PVC素材は耐久性が高く、クッション性に優れています。一方、TPE素材は軽量で持ち運びがしやすいので、どちらを重視するかで選ぶと良いでしょう。
- サイズ:自分の身長や動きの範囲を考慮し、十分な長さと幅のあるマットを選びましょう。
ウェアは、伸縮性があり動きやすい服装であれば何でもOK。
専用ウェアは「適度に体温を外に逃がすことができる」「伸縮性が高く身体の動きを妨げない」「吸汗・速乾性が高く着心地が良い」など、ヨガをする上で様々な効果が期待できますが、最初は無くても問題ありません。
ヨガマットのメンテナンス
ヨガマットは、定期的なメンテナンスをすることで、長期的に清潔に使用することができます。
使用後は汚れなどがあれば湿らせた布で拭いた後、風通しの良い場所で陰干ししてください。(ヨガマットの素材などによってはメンテナンス方法が異なる場合もあるので、商品の情報をチェックしてください)
また、外で使用する場合は、汚れを落としてからしまう習慣をつけましょう。
時間はどのくらい確保すればいい?
5分~好きな時間でOK。
まとまった時間を取るのが難しい日でも、1日5分から始めてみましょう。
たった2〜3つのポーズでも、呼吸を意識して丁寧に行えば、気持ちが落ち着き、体のこわばりもほぐれてきます。
「今日は忙しいから無理」とあきらめず、とりあえず1ポーズだけでもやってみるという気軽さが、長く続けるためのコツです。小さな積み重ねが、大きな変化につながります。
まずはここから!初心者向けおすすめポーズ3選
寝ながらできる!仰向けの合蹠(がっせき)ポーズ
仰向け合せきのポーズは、サンスクリット語で「スプタバッダコーナーサナ」と呼ばれます。鼠径部のリンパを刺激し、リラックス効果が高く、お腹を緩める効果があります。
仰向けの合蹠(がっせき)ポーズのやり方
- 仰向けになり膝を曲げる
- 足裏を合わせる
- 膝を外側に開く
- 手を胸とお腹に置いて呼吸を感じる
肩こり・腰痛に効く針の糸通しのポーズ
針の糸通しのポーズは、「パリヴリッタマールジャリアーサナ」と呼ばれます。肩周りのこわばりを和らげ、姿勢改善に効果的と言われます。
針の糸通しのポーズのやり方
- 四つん這いになる
- 片腕を反対側の脇の下に通す
- 肩と頬を床につける
- 反対側も同様に行う
仕事終わりのリラックスに効くチャイルドポーズ
チャイルドポーズ(子供のポーズ)は「バーラーサナ」と呼ばれます。深いリラックス・心の落ち着き・背中の緊張緩和に効果があるとされますので、仕事終わりにぴったり。
チャイルドポーズのやり方
- 正座になる
- 両手を床について前に歩かせる
- 上半身を前に倒し、額を床につける
- 深い呼吸を繰り返す
ヨガを習慣にするためのコツ
朝・夜どちらが合う?ルーティン化する際のポイント
自宅ヨガを習慣にする場合、朝の目覚め、夜の寝る前など「生活の流れにいかに組み込むか?」重要です。
ルーティン化する際のポイントとしては、「毎日固定で確保できる時間が多い時間帯」に組み込むのが大事です。例えば、朝は準備などでバタバタしがち、という方は帰宅後か夜寝る前に予定として入れてしまうのが良いです。逆に、夜は趣味や用事などで忙しいという方は、朝起きてすぐや歯を磨く前などの朝の時間にさっとヨガをやるのもおススメです。
続かない人にありがちな3つの壁と対処法
忙しくて時間が取れない
仕事や家事、育児で、気づいたら一日が過ぎている…このように、忙しくて時間が取れないと感じる方は多いですが、実はヨガはたった5分でも十分に効果を感じられます。
「今日は無理かも…」と思う日でも、1ポーズだけでもやってみるという意識を持つことで、習慣化への一歩を踏み出せます。
「1ポーズなんて効果がない気がする、この程度でいいの?」と思うかもしれません。しかし、大切なのは「時間を作る」ことではなく、「少しでもやる」ことを自分に許すことです。
たとえば、1日10分でも、1週間続けば70分以上となります。週に1日30分のヨガをするよりも、倍以上の時間ヨガをしていることになるんです。ただし、体調が悪い日などは無理をしないことも大事です。自分のペースに合わせて少しずつ取り入れてみてください。
完璧主義
「毎日やらなければいけない」「ポーズを完璧にしなければいけない」という考えがプレッシャーになっていませんか?
ヨガは自分と向き合う時間でもあります。完璧さよりも、「今日、自分の体と心に向き合えた」という実感を大切にしましょう。完璧でなくても、続けていくことに価値があります。
一人だとモチベーションが続かない
一人で続けるのは難しいという声もよく聞きます。
そんなときは、YouTubeやヨガアプリを活用したり、オンラインで友人と一緒に取り組むことで、モチベーションを保ちやすくなります。
小さな達成感を記録できるアプリや、同じ目標を持つ仲間との共有もおすすめです。
オンラインのヨガ教室や動画を上手に活用しよう

YouTube・アプリ・オンラインヨガなどを取り入れる
YouTubeのヨガ動画や、アプリ、オンラインヨガを活用すれば、初心者でもすぐにヨガを始めることができます。動画でインストラクターの動きを見ながら真似するだけなので、自宅にいながらレッスンを受けている感覚になれるのが魅力です。
また、動画やアプリは決められた時間ではなく好きな時間に見ることができるので、自分のペースに合わせやすいというメリットもあります。
「ながら見」をして気になったタイミングで真似してみたり、決まった時間にお気に入りのチャンネルを再生するなど、自分の生活スタイルに合った取り入れ方ができます。
たとえばヨガをしていないタイミングでながら見して、あとから自分で実践してみるという予習・復習の形もおすすめ
継続をサポートしてくれるアプリでは、習慣化を助けるリマインダー機能や記録機能がついているものもあり、「今日はできなかった」と落ち込まずに、ペースに合わせて進められます。
さらに、最近では定額制のオンラインヨガも多く、そういったサービスを利用することで、まるでスタジオに通っているような安心感を得られます。途中でお休みしたいときに「休会制度」があるサービスを選ぶと、無理せず長く続けられるでしょう。
初心者が気になるヨガのギモン3選
ヨガって年齢関係ある?
ヨガは基本的に年齢制限はありません。
自分自身の体の状態や能力に合わせて実践できますし、ハードな動きから静的なポーズまで、さまざまな種類のヨガがあり、身体能力に合わせて選べます。
ヨガは高齢者にも効果があるという研究結果もあり、高齢者からヨガを始めても、バランス感覚の改善がみられたり、転倒リスクを軽減するといいます。
何より、自分のペースで進めていけるので、今までやったことがなくても大丈夫。遅すぎることはないといえます。
体が硬くてもOK?
最初はポーズをとりにくいかもしれないですが、続けるうちに体も柔らかくなってきます。
初心者のうちは、無理をしてポーズをとろうとすると、筋肉などを傷める可能性もあります。特に自宅ヨガでは無理をせず、「気持ちよい」と感じるくらいで止めるのがおすすめです。
ヨガだけで痩せる?効果はどれくらいで出る?
基本的に体重の増減は摂取カロリーと消費カロリーのバランスで決まるため、ヨガだけで痩せるということはありません。ただ、ヨガを続けることで基礎代謝が上がるため、太りにくい体質づくりには効果的と言えます。
食事制限や他の運動と組み合わせるとより効果的なので、ヨガの習慣をきっかけに健康的な生活にシフトすることで結果を出すことは可能です。
無理なく始めて、少しずつ心地よい習慣へ
忙しい毎日の中でも、自分自身と向き合う時間を持つことはとても大切です。
ヨガは、特別な設備や長い時間を必要とせず、たった1ポーズからでも始められる手軽な習慣です。
「時間がない」「続けられるか不安」「体が硬い」といった悩みを抱えている働く大人こそ、自宅ヨガを試してみてください。完璧を目指す必要はありません。
自分のペースで、自分のためだけの時間を積み重ねていくことで、身体と心の変化を少しずつ感じられるはずです。