【5分でOK】初心者向けマインドフルネスのやり方・効果

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「最近、なんだか疲れやすい」「集中しようと思っても、すぐに気が散ってしまう」ーーそんなあなたにこそ試してほしいのが、「マインドフルネス」です。

科学的に実証された効果も多く、5分からでも実践が可能です。また、マインドフルネスにはストレスを和らげ、集中力を高める効果があります。この記事では、初心者向けのマインドフルネスの方法と効果を解説します。

マインドフルネスとは?

マインドフルネスとは、特定の方法で注意を現在の瞬間に向けるスキルを指します。
過去への後悔や未来への不安ではなく、「今、ここ」に意識を集中することが基本です。

もともとは仏教の用語 “sati”(気づき、注意深さ)を英訳したもので、仏教の教えなどの「宗教らしさ」を取り除きながら現代社会に広まりました。
特に1970年代、ジョン・カバット・ジンがマサチューセッツ州立大学メディカルセンターで開発した「マインドフルネスストレス低減法(MBSR)」が医療分野で注目を集め、うつ病や不安障害の治療にも応用されてきたことから発展が進みました。

現在では、Googleなどの海外の大手企業やYahoo、メルカリなどの日本企業でも、社員のストレスケアや生産性向上のため、社内研修にマインドフルネスを取り入れるほど、広く認知される存在となっています。

瞑想とマインドフルネスは何が違う?

「マインドフルネスって、座禅を組んだり瞑想をしたりすることでしょ?」そう思う方もいるかもしれません。しかし、瞑想とマインドフルネスは異なる概念です。

まず、瞑想(メディテーション)は、心を鎮めてリラックスすることを目的とした行為です。一般的には、静かに座って呼吸を整えたり、特定のイメージに意識を集中させたりする方法によって行われます。具体的な瞑想手法は、座禅、イメージ瞑想、マントラ瞑想などが存在します。

一方、マインドフルネスは「意識を今この瞬間に向ける」スキルや状態そのものを指します。歩きながら、食べながら、仕事をしながらでも実践できる柔軟性があり、日常生活のあらゆるシーンに取り入れやすいのが特徴です。

どちらもストレス軽減や集中力向上に効果が認められていますが、マインドフルネスは特に「気づき」を高めるトレーニングとしての側面が強く、日常の中で無意識に流れてしまいがちな思考や感情に対して、自分自身で気づき、受け止める力を養うことに重きが置かれています。

メディテーション(瞑想):心を鎮めることを目的とした行為
マインドフルネス:意識の集中というスキルや状態

初心者でもできるマインドフルネスのやり方(2選)

マインドフルネスは、特別な場所や道具を必要せずに簡単に始めることが可能です。慣れてくると、歩きながら、食べながら、シャワーを浴びながらでも実践できる手軽さがあります。
ここでは、初心者にもおすすめの実践法を紹介します。

マインドフルネスの基本 「呼吸法」

呼吸に意識を集中する方法は、最も基本的で取り組みやすいマインドフルネス実践法です。

  1. 静かな場所に座り、背筋を伸ばしてリラックスします。
  2. 目を軽く閉じ、自然な呼吸に意識を向けます。
  3. 吸う息・吐く息の感覚をありのまま感じ取り、思考がさまよったら、やさしく呼吸へと意識を戻します。

毎日5分続けるだけでも、心のざわめきが落ち着き、ストレス軽減につながります
ちなみにこの呼吸法は瞑想に近い手法なので、瞑想の技術も利用できます。例えば座るときに胡坐をかいたり、数息観などの呼吸法を取り入れることも可能です。

寝ながらできるマインドフルネス「ボディスキャン法」

ボディスキャン法は、体の各部位に順番に注意を向けるマインドフルネス実践法です。

  1. 仰向けに寝た状態や座った状態でリラックスします。
  2. つま先、足、脚、腰、胸、肩、腕、首、頭へと、体の各部位に意識を向けます。
  3. 各部位で感じる痛みや緊張、温かさなどを否定せず、そのまま受け止めます。
  4. 深呼吸とともに、緊張を手放すイメージを持つと効果的です。

ちなみにボディスキャン法は、慣れてきたら立ったままや歩きながらでも応用できるようになります。深呼吸と共に体の様々な場所に意識を向けることで、マインドフルネスに重要な「意識を今この瞬間に向ける」感覚を養います

マインドフルネスで得られる効果

ストレスホルモンの低減

ストレスを感じると分泌されるコルチゾールは、ストレスホルモンとも呼ばれます。一般的には、コルチゾールはストレスから体を守るために分泌されますが、過度な緊張状態・ストレスによる過剰分泌などで、、疲労感やうつ症状を引き起こす原因にもなります。

研究によると、マインドフルネスを続けている人はコルチゾールの分泌量が抑えられるとされます。コルチゾールの分泌量が減ることで、心身の健康維持につながります。

また、マインドフルネスは心拍数や血圧の安定にもつながり、感情のコントロールがしやすくなる効果も期待できます。

集中力がアップする

ある研究では、8週間にわたってマインドフルネスを継続的に実践した被験者の海馬灰白質が約5%増加し、記憶力が向上したことが示されています。

海馬灰白質は、記憶や学習能力に深く関わる脳の重要な領域であり、睡眠時間や生活習慣の影響も受けることが知られています。
食生活との関連を示す研究もあります。例えば、魚を定期的に食べる習慣がある人は、灰白質の容積が増加し、記憶力や認知力が向上するという結果が報告されています。具体的には、週に1回魚を食べる人は、まったく魚を食べない人に比べて記憶力が4.3%、認知力が14%高かったとされています。

また、マインドフルネスを行うことで「現在の瞬間に集中する習慣」が身につくため、仕事や勉強のパフォーマンス向上にもつながります。

マインドフルネスが合わない人は?

マインドフルネスは子供から大人まで基本的に多くの人に効果的とされ、様々なイベントやプログラムがあります。しかし、中には注意が必要なケースもあります。

効果が出ない・逆効果になる人

  • うつ病、依存症など精神疾患のある方
  • トラウマやPTSDを抱える方
  • 認知機能が低下している方

まず、うつ病や依存症といった精神疾患を抱えている方が、専門家の指導を受けずに自己流でマインドフルネスを行うと、症状の悪化を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。
また、トラウマやPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱える方は、マインドフルネス中に過去の辛い記憶がフラッシュバックし、不安感が高まることがあります。これにより、かえって心の安定を損なう可能性もあります。
さらに、認知機能が低下している方の場合、呼吸や身体感覚に集中すること自体が難しく、かえってストレスや混乱を感じてしまうこともあります。

このように、すべての人にとってマインドフルネスが万能というわけではありません。リスクが心配な方は、まずは医療機関や専門家に相談し、適切なサポートを受けながら安全に実践することが大切です。

アプリで手軽にマインドフルネスを実践する

マインドフルネスを手軽に実践する・習慣化するときにおすすめなのが、スマートフォンアプリです。アプリを利用することで、専門家の指示やガイドに従ってマインドフルネスを体験できる、記録やリマインドで続けるきっかけを作ることができるなどの恩恵が得られます。

今後、別の記事で、アプリを詳しく比較・レビューする予定ですので、ぜひチェックしてください。

まとめ

マインドフルネスは、ストレス軽減、集中力向上といった多方面にわたる効果が科学的にも裏付けられています。
呼吸法やボディスキャンなど、初心者でも手軽に取り組める方法があり、5分からでもはじめることができます。

ただし、精神疾患やトラウマを抱える場合には、専門家のサポートを受けることが重要です。
注意を払いながらマインドフルネスをぜひ実践してみてください。

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