「朝起きたら顔がパンパン」「夕方になると脚が重だるい」そんな“むくみ”に関するお悩みを抱えていませんか?むくみの原因のひとつとして注目されているのが、塩分の摂りすぎ。
一般的に、塩分の取りすぎによって体内のナトリウムバランスが崩れることで、水分が溜まりやすくなり、むくみが起こるとされています。
そんなときに試したいのが、塩抜きダイエット。
数日間だけ塩分を控えた食事に切り替えることで、体の水分バランスをリセットし、スッキリ感を取り戻す方法です。
この記事では、塩抜きダイエットを実践するうえで気になる「食べていいもの」「食べてはいけないもの」をわかりやすく紹介します。
コンビニで選ぶ際のポイントや、味付けの工夫なども合わせて解説していきます。
塩抜きダイエットとは?
塩抜きダイエットとは、その名の通り「塩分の摂取を控える」ダイエット方法です。塩分だけをとらないことから「塩分ファスティング」とも呼ばれます。
最長3日間、食塩(ナトリウム)の摂取を控えることで、体内の余分な水分を排出し、体重減少やむくみの解消を目指します。
塩分を摂りすぎると体内に水分が溜まりやすくなるため、逆に塩分を制限することで水分排出を促進し、短期間で体重を減らす効果が期待できます。
このダイエット法は、特別なイベントや撮影の前に一時的に体重を落としたい人に取り入れられています。例えば、結婚式やフォトウェディングの前などに利用する方も多いダイエットです。
塩抜きダイエットの効果
とにかく「むくみ」が取れる
塩抜きダイエットの最も顕著な効果は、「むくみの解消」です。
塩分(ナトリウム)は体内で水分を引き寄せる性質があるため、塩分をたくさんとるとむくみやすくなります。逆に、塩分を控えることで体内の余分な水分が排出されます。
特に顔や手足のむくみが目に見えて改善することが多く、短期間で見た目が引き締まります。
血液の流れの改善・代謝がアップ
塩分を控えることで血液の流れがスムーズになり、代謝の向上が期待できます。
血液の中の水分量が増えることで、血流が改善されることで冷えの改善やむくみの予防にもつながります。
食欲の抑制・食べ過ぎを防ぐ
塩分の高い食品は食欲を増進させる傾向があるといわれています。2016年のオーストラリアのディーキン大学の研究によると、塩分が多い食事は脂肪分の多い食品への欲求を強め、食欲を増進させるそうです。
塩分を控える塩抜きダイエットでは食欲が抑制され、結果的に食べる量が減ることもあります。
味覚がリセットされ、薄味でも美味しく感じるように
現代の食生活では、外食やコンビニ・スーパーのお惣菜など、塩分の多い食品が増えており、知らず知らずのうちに濃い味付けに慣れてしまっていることも。
塩抜きダイエットで一時的に塩分を控えることで、味覚がリセットされ、薄味でも美味しく感じるようになります。
薄味でも美味しく感じることができると、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞など塩分の取りすぎも影響する病気を遠ざけますので、健康にも近づきます。
1~2kgの体重減少
個人差はありますが、2〜3日間の塩抜きダイエットで1.5〜2kgの体重減少が見られるケースが多いとされます。ただし、この体重減少は主に体内の水分量の変化によるものであり、脂肪が減少したわけではありません。
そのため、塩抜きダイエット後に体重が増加したように感じますが、水分量が元に戻った影響ですので、重く受け止めないようにしましょう。
塩抜きダイエットの基本のルール・やり方
塩分摂取を極力控える(1〜3日間)
塩抜きダイエットでは、1日から最大3日間ほど塩分をほとんど摂らない食生活を意識します。醤油や味噌などの調味料はもちろん、加工食品や外食メニューにも注意が必要です。
あくまで短期間での実践を前提としており、長期間続けると栄養バランスが偏るおそれがあるため、期間(最長3日)を決めて行いましょう。
野菜や果物をたっぷり摂る(特にカリウムが豊富なもの)
塩分(ナトリウム)を排出しやすくするには、カリウムが豊富な食材を積極的に摂ることが効果的です。
おすすめは、バナナ、ほうれん草、アボカド、きゅうり、トマトなどの野菜や果物。
ただし、果物には果糖が多く含まれるため、食べすぎには注意が必要です。野菜を中心に、ビタミンやミネラルもバランスよく摂ることを意識しましょう。
水分をしっかり摂取する(1日1.5〜2Lを目安に)
体内の余分な塩分を排出するには、十分な水分補給が欠かせません。
特に、カリウムによってナトリウムが尿として排出される過程では、体内の水分も必要となります。
こまめに水を飲む習慣をつけることで、むくみの解消と代謝アップが期待できます。ただし、カフェインを含む飲み物は利尿作用が強すぎる場合があるため、できれば水や麦茶などがおすすめです。
また、水分をとるときは常温を意識すると良いでしょう。冷たい水は胃腸を冷やしてしまい、内臓の働きを一時的に低下させることがあります。常温の水なら、体温に近いためスムーズに吸収され、内臓にも優しいとされます。さらに、冷たい水を飲むと、体が「冷えている」と判断して代謝機能を一時的に抑えることもあります。常温の水は体のリズムを乱さずに代謝維持に貢献してくれます。
塩抜きダイエットで食べていいもの・ダメなもの

食べていいもの
野菜・果物
- 緑黄色野菜: ほうれん草、ブロッコリー、にんじんなど
- きのこ類: しいたけ、しめじ、まいたけなど
- カリウムが豊富な果物: バナナ、キウイ、みかん、りんご
カリウムは体内のナトリウム(塩分)排出を助けるため、カリウムを多く含む食品は積極的に摂ることを意識するのが良いでしょう。
たんぱく質食品
- 肉類: 鶏むね肉、豚ロース、牛もも肉(味付けなし)
- 豆腐・大豆製品: 木綿豆腐、絹ごし豆腐、納豆(たれは使わない)
- 卵: ゆで卵、温泉卵(塩分を加えずに調理)
たんぱく質をとるときは、味付けに注意するのがポイント。コンビニのサラダチキンなどは塩分が高い場合もあるので、きちんと塩分量をチェックしましょう。
炭水化物
- 米類: 白米、玄米、雑穀米
- いも類: さつまいも、じゃがいも、里芋(カリウムが豊富)
- オートミール: 味付けなしのプレーンタイプ
さつまいもは蒸す・ゆでてそのまま食べられるのでおすすめです。ただし、食物繊維を多く含むので取りすぎには注意してください。
調味料
- 酢: 穀物酢、バルサミコ酢、りんご酢
- 油: ごま油、オリーブオイル、ココナッツオイル、MCTオイルなど
- 香辛料: こしょう、カレー粉、その他スパイス類、七味唐辛子など
- かんきつ類: レモン汁、かぼす、すだち
- 薬味: しょうが、にんにく、ねぎ、みょうが
避けたほうが良いもの
塩分の多い調味料
- 塩: 当然ながら食塩は避けるのがベスト
- しょうゆ: 通常のしょうゆには塩分が多い 減塩しょうゆを少しだけなどはOK
- みそ: 発酵食品で体に良いが、塩分も高い
- めんつゆ、ソース、ケチャップ、マヨネーズ: 意外に塩分が多い
- 市販のドレッシング: 塩分量を見て調整するならOK
- コンソメ、鶏ガラスープの素、和風だしの素: こちらも意外に塩分が多い
塩分が高い食品
- パン: 製法上塩分が多く含まれる
- 加工肉: ハム、ウインナー、ベーコンなど
- チーズ・干物: 塩分保存のため塩分が高い
- 練り物: かまぼこ、ちくわ、はんぺんなど
- 漬物: 塩分と糖分が多いので避けるのが無難
- ラーメン、うどん: 麺自体や味付けに塩分が含まれることが多い
- 餃子: 具材と皮に塩分が含まれている
加工食品・インスタント食品
- カップラーメン
- レトルト食品
- スナック菓子
- コンビニ弁当・惣菜
塩抜きダイエットの注意点
期間は3日以内に
塩分は体にとって必要な栄養素でもあるため、塩抜きダイエットは3日以上続けないことが重要です。
長期間続けると脱水症状やめまい、筋肉の痙攣などの症状が現れる危険性があります。
こまめに水分を摂取する
塩抜きダイエットをすると水分が体外に排出されやすくなります。
脱水状態にならないように、こまめに水分補給をすることが大切です。1日1.5〜2リットルの水を目安に摂取しましょう。
汗をかく日は避ける
夏の暑い日や、運動をする予定がある日、温泉に行く日などは塩抜きダイエットは避けたほうが良いです。汗で塩分を失うと、低ナトリウム血症のリスクが高まり、頭痛、吐き気、疲労感、筋肉けいれん、意識障害、昏睡などを引き起こすことも。
体調に異変を感じたら中止する・持病がある方は医師に相談する
ダイエット中にめまいや吐き気、頭痛などの体調不良を感じたら、すぐにダイエットを中止して通常の食事に戻しましょう。症状が改善しない場合は医師に相談してください。
また、持病がある方や服薬中の方は、塩抜きダイエットを始める前に必ず医師に相談してください。
適切な回復食を摂る
塩抜きダイエット後は、いきなり塩分の多い食事に戻すとリバウンドやむくみの原因になります。
ダイエット後、数日の間は、薄味の回復食の日を設けて、徐々に通常の食事に戻していくようにしましょう。
運動は体調と相談して取り入れる
塩抜きダイエットは主に体内の水分量を調整するダイエット法であり、脂肪を減らすわけではありません。効率的なダイエットのために塩抜きダイエットと同時に運動を行いたい場合、ダイエット中の激しい運動は脱水症状のリスクがあるため体調を考慮しながら進めてください。
まとめ
塩抜きダイエットは、短期間でむくみを解消し体重を減らしたい場合に効果的な方法です。
ただし、以下のポイントを忘れないようにしましょう。
- 塩抜きダイエットで減るのは主に水分。脂肪が減るわけではないので、一時的に体重が減っても数日たつと元に戻ります。
- 期間は最長3日間に限定する。長期間の塩抜きダイエットは健康のリスクとなります。
- 水分はしっかり摂取する。脱水症状を避けるために水分をこまめに取りましょう。
- 食事は塩分を避け、カリウムが豊富な食品を積極的に摂るのがおすすめ。
- ダイエット後は数日間かけて薄味の食品から摂取し、徐々に通常の食事に戻す。
健康的に痩せたい場合は、塩抜きダイエットだけでなく、バランスの取れた食事と適度な運動を組み合わせた生活習慣の改善が重要です。
塩抜きダイエットはあくまで短期的な方法であり、持続的なダイエット・体づくりのためには、長期的な食生活の改善と運動習慣の確立が不可欠です。