【デジタルデトックスでぐっすり眠る】夜のスマホ習慣で気を付けるべきこと

休養と睡眠

夜、ベッドに入ってからもついついスマホを触ってしまい、気づけば深夜になっていた…。

ほかにも、「寝ようと思っていたけどゲームをしてしまった」「寝る前に少しだけ推しを摂取しようと思ってたのに永遠に見続けてしまった」と、私たちは夜ベッドの中でスマホを長時間触ってしまいがちです。
特に現代人は、夜のスマホ習慣が、睡眠の質を下げていることについて、なんとなく確信を感じているはずです。

今回は、夜のスマホ利用が睡眠に与える影響と、快眠のためのデジタルデトックスの方法について解説します。

夜のスマホ利用が快眠を妨げる理由は?

スマホの機能が睡眠を妨げる仕組み

スマホの使用は、私たちの睡眠に様々な影響を与えます。
まず、スマホの画面を見ることで脳が刺激され、覚醒状態が維持されてしまいます。
特に動画やSNSをスクロールしていると、次々と新しい情報が表示されるため、脳が常に新しい刺激を求める状態になってしまいます
「あと1本だけ」と思っても、次の関連動画や投稿に目を奪われ、気づけば1時間以上経っていた…という経験はありませんか?このように、スマホの使用は脳を興奮状態に保ち、自然と集中した状態を維持してしまうのです。

また、通知音やバイブレーションも睡眠を妨げる要因となります。
もう寝ようと思ってたのに、更新の通知音が鳴ったらつい画面を見てしまったり、何かバイブレーションがなって通知の内容が気になったりと落ち着かなくなってしまいます。
これは、生物として人間の脳が音に対して本能的に敏感なことが原因です。

さらに、画面の明るさが体内時計に影響を与え、自然な眠気を妨げてしまいます。いわゆるブルーライトの影響で、メガネなどをかけたり、画面を暗くすることで対処している方も多くいます。

SNS・ニュース・動画視聴で感じる心理的な影響

SNSやニュース、動画視聴は、実は就寝前に避けたいコンテンツです。
なぜなら、SNSでは共感できる内容や参考になるコンテンツも多い半面、他者との比較から不安を感じやすい特徴があります。
ニュースは、社会人としては情報収集として必要になるケースが多いものの、ネガティブな情報も多くストレスを増加させる原因になることもあります。
また、動画視聴は時間感覚を失わせ、ついつい就寝時間を遅らせてしまう原因となります。

睡眠への影響が大きいブルーライト

スマホやパソコンから発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。

メラトニンは通常、日没後に分泌が始まり、就寝時間にピークを迎えます。しかし、メラトニンの分泌はブルーライトによって最大で50%も抑制されてしまいます。
そのため、睡眠ホルモンの分泌が遅くなることで睡眠に影響が出やすくなります。

特に、スマホやパソコンのLEDライトに含まれる波長460nm付近の青い光(いわゆるブルーライト)は、メラトニンへの影響が最も強いと言われています。
就寝前にブルーライトを浴びることで、入眠時間が平均で約30分も遅れてしまうという研究結果もあります。この入眠の遅れは、睡眠の質の低下につながるため、注意が必要です。

「寝落ちスマホ」が習慣化してしまうメカニズム

寝る前にベッドや布団の中でスマホを触っていて、気づいたら朝になっている…いわゆる「寝落ちスマホ」の状態で夜眠っている方も多くいると思います。
でも、寝落ちスマホを「やろうと思って」やっている方は少ないはずです。これは無意識に、寝落ちスマホが習慣化してしまっている状態です。

寝る前のベッドでのスマホの使用が習慣化すると、まず、寝る前のルーティンとして「スマホを触る」ことが定着してしまいます。これは、スマホの使用によってドーパミンが分泌され、快感を得るためです。
そして、「いいね」や通知が報酬として機能し、習慣化が促進されます。
習慣化にドーパミンと報酬は必要不可欠。その結果、スマホなしでは落ち着かない状態になり、寝る前のスマホ使用、さらに言えば寝落ちスマホまでが習慣化してしまい、結果的に睡眠の質を低下させるという悪習慣・悪循環に陥ってしまいます。

睡眠の質が下がるとどうなる?

それでは、スマホの影響によって入眠が遅れたり、覚醒状態が長引いたりしてしまうことでどんな影響が出るのでしょうか。

まず、脳の覚醒状態が長引く影響としては、入眠の遅れにつながります。
覚醒状態から入眠できる状態への移行には、通常約30分〜2時間程度かかると言われています。つまり、覚醒状態が長引くと、さらに入眠が遅くなるという悪循環がうまれます。

また、入眠の遅れにより、寝る時間が遅れ、それに伴い起きる時間も遅れることや、起きる時間が変動しない場合、睡眠自体の時間が減ることになります。その結果、体内時計が乱れはじめます

体内時計の乱れは、睡眠障害やうつ病、生活習慣病のリスクにもつながり、朝起きられなくなり、日中に強い眠気を感じるなどの症状がおこる「睡眠・覚醒相後退障害」につながる可能性も。

デジタルデトックスで睡眠を整えよう

夜のスマホ習慣によって睡眠の質が下がることに対して、寝る前に「デジタルデトックス」を行うことで睡眠の質を向上させることが可能です。
特に夜寝る前に以下のような特徴を1つ以上感じる人は、デジタルデトックスを試してみてもいいかもしれません。

  • ベッドに入ってから30分以上スマホを使っている
  • 寝る直前ギリギリまでSNSを見ている
  • よく、スマホを持ったまま寝落ちしている

「良質な睡眠をとる」ための入眠環境の整え方の基本

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、良質な睡眠のためには以下の3つの環境づくりが重要とされています。

  1. 光の環境づくり(日中に光を浴びる、寝室の照明の調整など)
  2. 温度の環境づくり(入浴のタイミングによる体温の調整、寝室の温度など)
  3. 音の環境づくり(騒音対策など)

デジタルデトックスは、この中の「光の環境づくり」に大きく関わってきます。

デジタルデトックスのやり方3選

1. スマホを寝室から遠ざける

デジタルデトックスとして一番ベストな方法は、寝室にスマホを持ち込まないことです。
物理的にスマホが手元にないことで、「スマホを触る」という選択肢がなくなります。

例えば、スマホの充電場所を寝室の外に設定するなどで就寝前のスマホ使用を防ぐことができます。

しかし、この方法は現代人にとっては結構難しい内容です。
スマホで目覚ましのアラームを設定している方も多いですし、時計代わりにスマホを使っている方も多いはず。デジタルデトックスとしては最適ですが、実行可能度は少し低いかもしれません。

2. デジタルデバイスの使用を制限する

就寝時間の2-3時間前からデジタルデバイスをオフ・またはほとんど使えない状態にする習慣をつける方法です。

例えば、使用時間の制限設定(iPhoneでは「スクリーンタイム」、Androidでは「Digital Wellbeing」など)や重要なもの以外の通知をオフにする(特に、SNSや動画配信サイトからの通知を一定時間オフにすることが有効的)などの工夫を行うことで、スマホを見る積極的な理由を減らします。

ほかにも、画面の色温度を調整できるナイトモードを設定してブルーライトを軽減したり、アプリごとの使用制限を設けることもおすすめです。

この方法は時間ごとにグラデーションで設定することもおススメです。
例えば、就寝時間の2時間前にはナイトモードに設定し、通知をオフにする(その状態でアプリなどを使用するのはOK)。
1時間前になったらアプリ制限する。
30分前になったらできるだけ画面をオフにして使わないようにする。
というように、だんだん制限を強くしていくことで自然に睡眠の準備を行います。手間は少しかかりますが、夜スマホを使う時間は作りたいけど、睡眠も大事にしたい人にはピッタリの方法です。

3. 代替のリラックス習慣を確立する

スマホの代わりに、自然と眠くなるような落ち着いた時間を過ごす習慣をつけることも有効です。 例えば、読書・ストレッチ・アロマテラピー・音楽鑑賞などスマホを使わず、さらに脳や体がリラックスできる時間を過ごせるものがおススメです。

ただし、全ての人に効果が保証されたリラクゼーション法はありません。そのため、「やってみたけど合わなかった」というケースも多いため、自分に合った方法を探すことが大切です。

夜のスマホ習慣の改善は、小さなステップから始める

デジタルデトックスは、いきなり全てを変えようとすると挫折しやすくなります。
特に夜のスマホ習慣が固定化していればしているほど、ほかの習慣に切り替えるのもむずかしくなります。

だからこそ、ガラッと変えるのではなく、小さなステップから始めてみましょう。

例えば、トリガー設定を行うこと。「21時」「歯を磨いたら」「ベッドに入ったら」など、トリガーになるタイミングや行動を指定して、そのタイミングで特定の行動を差し込みます(21時になったらスマホをナイトモードにするなど) 。

また、最初から完璧なデジタルデトックスを目指さずに、「徐々に使用時間を減らしていく」という意識を持つことも大事です。
寝る前のスマホ時間が3時間から1時間になるだけで、入眠時間や睡眠時間などにも大きな影響が出てきます。いきなり完全にゼロにしなくても、少しずつ睡眠の質が向上していきます。

実際に睡眠の質が上がったと実感できれば、さらにデジタルデトックスを「やっていきたい」と思うきっかけになるかもしれません。
夜のスマホ習慣は人それぞれです。自分のペースに合わせて調整しながら取り組んでみてください。

デジタルデトックスで快適な睡眠環境を整えよう

夜のスマホ習慣は、睡眠の質に大きな影響を与えます。デジタルデトックスを実践することで、より質の高い睡眠を得ることができるかもしれません。
また、睡眠の質をさらに向上させるためには、スマホの使用以外にも、枕の高さや寝具など、他の要素も調整してみることがおススメです。

快適な睡眠環境を整えて、ぐっすりと眠れる毎日を送りましょう。

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